猫ちゃん、可愛いですよね。私は猫が好きなので、近所で野良猫を見つけるとついつい餌をあげたくなります。
でも、庭や畑を育てている方は、猫に注意しなければなりません。いつの間にか庭に猫の糞があって、「肥料になるからいいか」と放っておくと取り返しのつかないことになります。
本記事では、猫の糞について注意すべきポイントをお伝えしてます。
※当ブログでは、以下記事も紹介しています。
猫の糞は肥料になる?
結論から言うと、猫の糞はそのままでは肥料になりません。むしろ、そのまま使用すると、植物を根腐れさせてしまう危険があるのです。
日本には古くから、人や動物の糞を肥料として使う習慣がありました。植物の栄養源である窒素やリン酸などの成分が糞には含まれているからですね。
人糞は遅くとも鎌倉時代から肥料として使われていたほど、貴重な肥料となっていたといいます。
しかし、それは糞を発酵させているから肥料として機能するのであって、発酵させていなければ植物の根っこを痛めてしまう可能性があるのです。
糞を肥料として使うには、発酵のプロセスを経て、有害な成分や寄生虫を死滅させる必要があります。
糞を発酵させて肥料として上手く使うためには、それなりの知識と経験が必要になることですから、注意しなければなりません。
<猫の糞は肥料になる?>猫の糞には寄生虫が潜んでいる
猫や犬の糞には寄生虫が存在します。人糞も同じく寄生虫の問題があったため、利用されなくなってきたのです。
特に注意すべきは、猫の糞に含まれるトキソプラズマです。
「妊婦は生肉を食べてはいけない」と言われますが、それは生肉にトキソプラズマが潜んでいる可能性があり、それに妊婦が感染すると、子どもに死産や精神遅滞、視覚障害、脳性麻痺などの重たい症状が現れる危険性が高まるからなのです。
そのトキソプラズマは、全ての哺乳類と鳥類に感染する可能性があるのですが、体内から出てくることはありません。ネコ科以外は。
そう、ネコ科の動物の排泄物には、トキソプラズマが含まれていることがあるのです。
トキソプラズマを宿した猫の糞によって土や水が汚染されると、そこで数ヶ月間トキソプラズマは生き続けます。
それが感染ルートとなり、何らかの形で人の体内に入ってしまうとトキソプラズマ症になってしまうことがあります。
通常は免疫によって何も症状が出ないことが多いのですが、1〜2割の確率でインフルエンザのような症状が現れると言われています。
妊婦の場合は経胎盤感染してしまう可能性がありますので、特に注意が必要です。
ですので、「糞は肥料になる」などと楽観的な考えは絶対にしないようにしてください。何も知らずに野良猫の糞を放置することは、感染症の感染ルートを作っているのと同じことです。
<猫の糞は肥料になる?>どうやって猫除けしたらいい?
猫が庭に居つかないように対策されることをお勧めします。猫は一旦、自分のテリトリーにしてしまうと、そこをなかなか離れません。
以下のような方法で猫除けしましょう。
①黒いビニールシートで根元を覆う
猫は土のある方で用を足す習性があり、またシートが高温になればそれを嫌がります。
②ネットを使う
庭の周りに支柱を立てて、ネットで覆うことで侵入を防ぎます。
③猫の嫌いな植物を植える
猫除けに効果があると言われる植物には、ラベンダー、ローズマリー、カニナハイブリッド、トウガラシ、ネギ、ニンニクなどがあります。(個体によって効き目は違います)
<猫の糞は肥料になる?>猫の糞を処理するときの注意点
猫の糞に含まれているトキソプラズマは未成熟であるため、まだ感染する力を持っていない可能性が高いです。
おおよそ1〜5日で成熟し、感染力を持つようになりますので、もし野良猫の糞があるようであれば、放置せず、早めに処理することをお勧めします。
処理するときは、①早めに処理すること、②素手で触らないこと、③手洗いを念入りにやることを注意してくださいね。
まとめ
今回の要点をまとめると、以下のようになります。
・猫の糞は発酵させなければ肥料にならない、根腐れの元になる
・寄生虫を含んでいる可能性があり、妊婦は特に注意が必要
・猫を寄せ付けない対策をする
・糞を発見し次第、すぐに処理する
可愛らしい猫であっても、実は意外な危険を孕んでいることがあります。
「猫の糞は肥料になる」という考えはあながち間違いではありませんが、発酵しなければ逆効果であるということと、感染症の危険があるということを知っておいてくださいね。
それでは、楽しいガーデニングライフを!