茹だるような暑さが終わったら、今度は涼しい秋がやってきますね。
秋の夜更けって長いですよね。涼しさも相まって、ちょっと人恋しくもなっちゃたりしてしまいがちです。秋の夜は長いと言われており、「読書の秋」とも言われています。
センチメンタルな気持ちになれるこの季節。夏の暑さから解放され、窓を開けながら流れ込んでくる涼しい風と共に、ちょっぴり切ない秋にぴったりな小説の世界を堪能してみてはいかがでしょうか?
※当ブログでは、以下記事も紹介しています。
秋に読みたい切ない小説/学校が舞台の小説
・夜は短し歩けよ乙女/森美登美彦
<あらすじ>
「黒髪の乙女」に密かに憧れを抱いていた男子大学生の「私」。夜の帳の中、彼女の姿を探しながら京都市内を練り歩く。鴨川神社の古本市場、秋の学園祭、あらゆる場所で彼女の姿を目撃するも一度も告白できずにいた。
何度も黒髪の乙女と遭遇するが、それらは全て偶発的なもの。彼女は無邪気に先輩に「奇遇ですね!」と朗らかに笑いかけてくれるのだった。
京都を舞台に、冴えない男子大学生の私が黒髪の乙女にアタックを繰り広げるも、毎度失敗してしまう、痛快コメディ小説。二人を取り巻く環境、個性的でユニークなキャラクターたち、どんどん移ろう季節。
2017年にアニメ映画にもなった作品なので、知っている方も多いのではないでしょうか。「先輩」が「黒髪の乙女」を探して街を練り歩き、同じように彼女も街を練り歩く。何度も出会うのに、そのたびに邪魔が入ってしまうという、何とも言えない話にどんどん引き込まれていきます。
原作は私と黒髪の乙女の一人称で語られ、場面ごとに切り替わっていきます。同じ場所にいながらもやっていることは全くの真逆な二人。
季節は春から夏、秋、そして冬へと移り変わっていきます。どんどん現れる個性的なキャラクターたちの中には別作品にも登場するキャラクターたちもいます。そちらの内容も知っておくとより楽しめること間違いなしです!読んだら絶対にハマってしまう森美ワールドにぜひ飛び込んでみてください!
秋に読みたい切ない小説/心にそっと寄り添う小説
・星の王子さま/サン=デグジュベリ
<あらすじ>
「かんじんなことは、目に見えないんだよ」。
操縦士の「ぼく」はサハラ砂漠に不時着してしまう。一週間分の食料と水しかないぼくのもとに、ひとりぼっちの「王子さま」がやってきた。王子さまはぼくに色々なことを聞いたり、色々なことを尋ねたりしながら飛行機を直すぼくのそばにいた。王子さまは自分の星についても語ってくれた。
そんな時、王子さまは大事にしていた薔薇と大きな喧嘩をしてしまい、ついに星を出て行ってしまった。これは、「ぼく」と「王子さま」の答えの見つからない大事なお話だ。
あらゆる国で翻訳された星の王子さま。とても有名な話ですよね。きっと子供の頃に読んだ!という人もいるんじゃないんでしょうか?子供の頃はよくわからなかった王子さまとぼくとの会話も、大人になって読み返すと感慨深いものになっていたりします。
秋の夜風に吹かれながら、読んでみるのもいいかもしれません。きっと、大切な何かを知れるかもしれませんよ?
秋に読みたい切ない小説/夫婦の愛を物語った小説
・きいろいゾウ/西加奈子
<あらすじ>
九州の田舎に引っ越してきた売れない小説家、無辜歩(通称:ムコ)と動物や植物の声が聞こえる妻利愛子(通称:ツマ)。つつましい生活を送っていた夫婦。平凡で、ちょっぴり変わり者の夫婦だったが、ある日、ムコ宛にとある手紙が届く。
その手紙を読んだ直後、ムコの様子が変わってしまい、突然東京へ行くと言い出した。夫婦の愛とはなんだろうか、痛みを知るとはいったいなんだろうか。愛するがゆえに知ってしまった痛みを胸に抱えて、全ての人へ贈るラブストーリー。
夫婦って不思議ですよね。全く別々の環境下で育った二人がある日夫婦になる。性格も価値観も何もかも違うのに、それでも二人で夫婦になっていく。
とても穏やかで優しさに包まれているはずのこの物語ですが、一通の手紙によってそれらが大きく変わってきます。過去と未来を切り離すことは難しく、心の優しい部分にぴりっと痛みを生み出してしまう、切なさに溢れた物語になっています。
恋人や夫婦の方だけではなく、色々な世代の方に読んでいただきたい一冊ですね。秋の切ない風に紙をなびかせながら、一ページずつ優しく読み解いていってみてはいかがでしょう?
まとめ
秋に読みたいちょっぴり切ないおすすめ小説は、
1.夜は短し歩けよ乙女/森美登美彦
2.星の王子さま/サン=デグジュベリ
3.きいろいゾウ/西加奈子
でした。
秋ってつい心が寂しくなってしまいがちですね。冬がもうそこまで来ているのもありますが、やはり一年の中で夜が長いからかもしれません。お風呂上りや寝る前にちょっと心に刺激を与えてみてはいかがでしょう?
これ以外にも多くの小説があります。秋にぴったりな切ない小説を読んで、そっとくすぐったい気持ちになったり穏やかな気持ちになったりしてみるのも中々乙かもしれませんね。