あなたは、どんど焼きはお好きでしょうか?
呼び名は様々ですが、全国各地で「どんど焼き」を行う風習がありますね。
私の地元でもありましたが、木の枝に挿した餅を焼いて食べるのがとても好きでした。
冷え込む時期ですから、熱々のお餅はとても美味しく感じますし、炎の熱がじんわりと体に伝わってくるのが心地良かったりします。
ところでどんど焼きに関して、特定の地域では「厄投げ」というものをどんど焼きと同時に行う風習があるのを知っていますか?
本記事では、どんど焼きと厄投げの行事について紹介していきますね。
※当ブログでは、以下記事も紹介しています。
<どんど焼きで厄投げ>どんど焼きとは?
小正月(1月15日もしくは14日)に行う伝統行事です。
子どもがメインとなって行われることが多く、地域の子ども会で行われたりします。
田んぼなどで、竹や木や藁で作ったやぐらを作り、そこで地域で集めた門松やしめ縄飾り、書き初めを焼きます。
残り火で焼いた餅や団子(この団子はまゆ玉と呼ばれることも)を食べると、その年は病を遠ざけられると言われています。
加えて、どんど焼きの灰を家に持ち帰って自宅に撒くことによっても、病除けになるとも。
お正月に門松やしめ縄飾りなどでお出迎えした神様(歳神)を、炎で送り出すことが意味があるそうですよ。
歳徳神(としとくじん、とんどさん)という、その年の福徳を司る神様を祭る慣わしが大元だそうで、「どんど」という名前もそこから生まれたのでしょうね。
鎌倉時代には既に行われていたと考えられており、かなり歴史のある祭りです。
健康を願う、大昔の人の思いが現代に繋がっていると考えると、感慨深いものがありますね。
ちなみに諏訪市の近くの松本市では、城下町であり火の取り扱いに厳しかったので、戦前までどんど焼きを行う習慣がなかったと言います。
そんな地域が他にもあるかもしれませんね。
<どんど焼きで厄投げ>厄投げとは?
厄投げは、長野県の諏訪地域でのみ行われる伝統行事です(なぜ諏訪にだけこのような慣わしがあるのか、理由は不明)。
どんど焼きに続いて行うのですが、具体的には厄年の人が、自分の年齢と同じ数のおひねり(小銭を紙で包んだもの)やお菓子、みかんを建物の2階などから下の人々に向かって投げて、厄を払います。
投げられる方は、上から落ちてきたお金や食べ物をキャッチします。
拾ったお金には厄があるので早めに使うように、と言われています。
ちなみにお金やみかんは重量があるので、結構痛いです。
夜に行われることもあり、暗闇の中で物が降ってくるスリルを味わえますよ。
地区によってはみかんが禁止になったところもあるそうです。
厄年の人は、お金やお菓子を年の数だけ用意しなければなりませんので、それなりの出費になります。
しかし、厄年は怪我や大病から逃れるために慎ましく生活することが良しとされますので、「質素に暮らすように」との戒めなのかもしれませんね。
ちなみに地元の方は「当たり前にやっている」という認識なので、地域限定のこととは知らない場合があります。
まとめ
・どんど焼きは、鎌倉時代から続く伝統行事であり、健康を願って行われるもの
・厄投げは諏訪地域限定の行事で、厄年の人が小銭やお菓子を投げて厄を払うためのもの
少子化や安全面の問題(火を扱うので消防車が待機していたりするほど)から、どんど焼き・厄投げの行事の規模が縮小化されてしまう恐れがあります。
都市部ではやぐらを燃やせるような土地が減ってきているでしょうからね。
厄投げについても、今後子どもが怪我をするなどの事故が起これば自粛する可能性だってあります。
それでも歴史のある独自の伝統行事ですから、この先もずっと続いて欲しいものですね。
厄年の人も、厄投げをするのとしないのとでは、心持ちが違うのではないでしょうか。
もし、1月14日〜15日に諏訪地域を訪れる機会があれば、この超レアな行事を見てみてくださいね。